トツゲキ人生「法人」

それから1、2日程してから印鑑屋さんが血相を変えて連絡してきた。恐らく徹夜有り気でヤリ直してきたのだろう。職人さんにとっても生まれて初めての1本であったからこそ無理もない。私自身、終わったハプニングには然程、気にも留めていなかった事もあって、普段通り冷静な電話の応対。そして即日お昼過ぎに取りに伺って無事、事なきを得た。これで法人化に向けての段取りが全て滞り無く整ったと言える。

印鑑と通帳を揃えて西村先生との申請直前最後の打合に臨む。前回起きた印鑑の一件を真摯にお詫びし、全ての段取りが整ったことを報告させて頂いた。その後スグに前回同様、1つ1つの書類に押印。その間、期待と不安で胸が張り裂けそうだった。会社設立の準備が整う瞬間を目の当たりにしているのだから無理もない。押印もスグに完了し、今後の段取りを説明頂くこと30分程度。ドキドキしながら先生の話に緊張集中。これで設立に関わる全ての段取りが完了した。後は先生に全てお任せし、私は来るべき日以降の段取りに備えることにした。法人化することで必ず起こり得る事象として大変なのが、名義変更やら各種手続関係の変更だ。法務局で登記簿謄本や印鑑証明を揃え、それらを片手に税務署で個人事業の廃業届出を提出したり、年金機構や兵庫労働局で事業引継を行ったり、仕事で使っているモノ大凡全てを会社名義に変更する必要がある。それらばかりでなく細かいところで言えば、士業の先生方との契約関係、労基署への申請、自動車や保険の名義変更、携帯電話やセキュリティー契約やカード類等の支払先の変更ならびに使用者変更、その他諸々の各種手続が必要となる。これらを取り零し無く1つ1つ丁寧に全て対処しなければならない。とても気の遠くなる話だ。法人成りを果たしていないのに、この時既に洗礼を浴びているような気分だった。あまり細かい事を考えて臨んではいけないよ!、と各種方面からアドバイスを頂いていたが、やはり細かい事を考えて臨んでしまう性分はそう易々と変わらない。仕事に没頭している状況が何よりも心地良くて、忙しく無いと不安になるのだ。無ければ見付け出し、それでも無ければ創り出す。仕事を生み出す連鎖とはそんなものだろう。

いよいよ2012年10月01日(月)がやってきた。西村先生から微笑ましいお言葉で一報を頂き、ようやく法人化を実現することが出来たのだ。これが株式会社 profoundly creative device の誕生である。有言実行を果たすことができ、事業コンテンツの具現化を図ることに成功。学生時代5年間の下積を経て2003年4月に[個人]として「受験塾家庭教師」を資金が全く無い状況からスタート。以後、多くのお客様ならびに士業の先生方やお取引先様、そしてスタッフみんなの御陰で、10年6ヶ月の歩みを全うすることが出来ました。これは私1人の力では到底、成し遂げることの出来なかった現実と言えます。今後は[法人]として「受験塾家庭教師」を代表取締役という立場から運営してまいります。もちろん感謝感激の気持ちを念頭に様々な諸行に猪突猛進で突っ走り、如何なる困難にも逃げずに立ち向かい乗り越えてまいる所存です。受験塾家庭教師をどんどん扱き使ってもらいたい!、と心の底から願っています。まだまだ勝負はこれからです。