英語と向き合った動機は不純だった。入学早々の英語の先生がとりわけ若かったからなのだ。若干24歳の新米先生。松田聖子カットにクルンクルンの巻き髪が印象的。青春時代真っ只中だったコトもあり若かれし15歳の少年心にグッとこない訳が無い。けれどもキッカケは単なるキッカケにしか過ぎず、そういう好奇心は一瞬で宙を舞った。授業が始まるや否や、視点は既に先生の教えて下さる内容(英語の文法やら長文読解やら)にスポットライトがあたっていた。熱意や情熱が半端無く香ばしかったからこそ、だろう。この先生ならば今の自分のダラしないバカな頭を打ち砕いて、何でもカンでも相談にのってくれるはず。そう思うや否や気が付けば既に職員室のドアをドンドンドン。職員室中に響き渡るような大声で、○○先生!!話があります、と発狂。
「○○先生。どうしても分からないコトがあるんです。とにかく話を聞いて下さい!!」
先生も私も話し始めれば止まらない。いろんな話をしまくって延々1時間程度が過ぎた。さすがに激しい言い合いが職員室のド真ん中で勃発しているのだから、オマエ達ッうるさい、と檄を飛ばしてくる先生方も当然の如くいた。もちろん私の心の中では、今は○○先生と熱いバトルをしてるんやからオマエ等こそ黙ってろ!!!、と思っていたが言葉には出さなずに無視し続けて話をした。言葉に出したら負けである。今のホットな気持ちを逃してしまってなるものか。
「私も高校の時は英語が苦手で苦手で苦手で苦手で仕方無かったんだよ!!」
「先生!!どないして克服したんですか?」
「私は単語を覚えるのが得意じゃなかったから単文複文重文を1つの文章にマトメて毎日少しずつ単語を辞書で調べながら和訳するようにしたんだ。そうしたら英語に対する嫌悪感みたいなモノは自然と消えていって気が付いたら成績にも現れるような感じになった。でも凄い大変だよ。だって何があっても毎日、毎日、格闘しなくちゃいけなかったから・・・」
「ナルホド!!!要するに出来るようになるんやね。わかった。そうだ、先生!!ゴメンやけど、その問題集を僕にもらえませんか!?」
話や手順を聞いて、これは確かに面倒臭そうだった。けれども英作とかも織り交ぜて勉強しちゃえば二度手間になんなくて一石二鳥の効果が得られるやん。少なくとも、そうするコトで3年後には、この先生や他の先生方を遥かに上回れるやん。そうと決めたら即時実行。徹底的に無理をやってやろうじゃないかぁ====ッ☆このようなキッカケ英語と向き合うようになり泣く子も黙る英文和訳英作を生み出した。