実のところ雨繋がりの問題は外構ばかりではなかった。子供の入園早々に様々な諸問題が明らかとなっていた。中でも雨の日の送り迎えは大変な問題の1つ。フツーに送り迎えが出来るならばトボトボと歩いていけば良いだけの話。ただ乳飲み子を抱えて傘をさし雨脚を急がなければいけない事を考えると話は別。実際のところ想定以上にストレスが溜まり気持ちも体力も目減りしてしまっていた。自分達の甘さ加減に自分達で反省しながらも解決策を見出そうと考えた。そこで背伸びをして初めて明らかとなった状況もある。特に問題という感じでも無かった。むしろ効果であったと言えるだろう。それはこの問題の解決に伴って、行動範囲が広がる、という効果も得られるというものだ。そうなると子供達やママ友達が仲良く交流を深められる場に遭遇する機会を数多く手に入れることにも繋がる。それらばかりでなく三田市に住んでいるからこそ、車が無いと動き難い、という状況の打開も一役買う。一石何鳥だ?!、と思ってしまうぐらいに功を奏している。環境が一変、する事を考えるとウキウキして仕方が無かった。気が付いた時にはハンドルを握り締めて車を走らせていた。
意を決して近くのトヨタ自動車へ相談に伺った。個人的には仕事や日常で使用する車は基本的に中古車で十分だった。ワンデーメンテナンスや車検程度ならば自分で全てヤリこなせていたので、車を見る視点が人とは違う。整備士でも何でもない単なる下手の横好きレベルだが、車で仕事をする上で一様の不慮の故障には備えなければいけない、と考えていたからだ。けれどもこの時ばかりは家族が操るコトにもなるので新車購入を視野に入れ、整備も全てプロに任せるコトも視野に入れ、長い将来乗り続けることになるコトも視野に入れ、これら全てをマトメて相談に臨んだ。もちろん見栄でも何でも無い。合理的な考えによるものだ。新車と中古の違いは各所方面で様々な見解はあるだろうが、私は管理さえシッカリしていれば何だって良かったのが正直なところ。けれども自分の管理下に置かれていない空白の状況を抱えた車を手に入れたコトにより、大切な家族に対し当初予想だにしなかった重大な影響を及ぼしてしまうようなことがあっては決してならない。だからこそ新車購入を視野に入れるのは妥当であり止むを得なかった。新車を買いたい!!、というよりも管理下に置かれていない空白の状況が大凡ある程度存在する車を買いたく無い、という方が理由としては近いだろう。購入後、向こう半年、向こう1年という期間、変な不安を抱えて仕事に没頭するのは嫌だったのだ。
外構ローンという大きな不安を抱えて臨んだ新車購入。何とか車ローンもOKとなり、我が家に新しい高級車ヴィッツがやってくることになった。1000cc3気筒4速オートマ。個人的には5速ミッションだが、そこは家族を乗せる未来のツール。安全安心なのでOKとしておくことにした。いとも簡単にたった1ケ月程度で数千万という債務の上に数百万という債務が伸し掛かった。要するに多重債務者となったワケだ。問題解決には資金が必要不可欠。これは将来への投資なのだ、と自分自身に言い聞かせるべく気分も早々に晴らし仕事に没頭した。自分自身に価値が無ければ債務すら背負うことは出来ないのだから今後もガンバルしかなかった。払えなければどうしよう、という自問はあったが自答は単純。払えなければ全て売り払い、全額支払う、という覚悟を決めて相談に臨む。そして再び仕事に没頭すれば良いだけの話だ。もう本当にヤルしか道は残されてはいなかった。