【テーマ】
乾電池を使わないで電気を取り出す。
【動機】
停電といった災害時や乾電池といった物が無い環境で困った場合に電池が無い時,身の回りの物が電池の役割を果たしてくれると助かるのではないか,ということに気付いたので実験することにしました。
【疑問】
りんごで音は鳴るか?
バナナで音は鳴るか?
みかんで音は鳴るか?
レモンで音は鳴るか?
紙で音は鳴るか?
蒸留水で音は鳴るか?
水道水で音は鳴るか?
これらを調べて何に気づくか?
【環境】
日 付:2015年8月23日
時 間:13:00開始 15:00終了
場 所:北緯34.57 東経134.46
天 気:晴れ
気 温:30℃
湿 度:68%
日常音:37.0db
【材料】
蒸留水500ml
水道水200ml×3
りんご2個
バナナ2個
みかん2個
レモン2個
銅板2枚
鉛板2枚
銅線4本
紙コップ4個
センサー
計量器
計量カップ
音測定器
ハサミ
マジック
セロハンテープ
【方法】
① センサー,導線,銅板,鉛板,を使って電気回路をつくる。
↓
② 音の鳴る回路をつくることが出来れば,果物や物質で電池の役割を果たすものを確認する。
↓
③ 電池の役割をする果物や物質が分かれば,個数や種類を変えて音の大きさを調べる。
↓
④ それぞれの音の大きさを比べたら,そのデータに基づいて性質の違いを確認する。
【回路】
① センサー赤 ー 鉛板 ー 果物 ー 銅板 ー センサー黒
→ 音が鳴らない
② センサー赤 ー 銅板 ー 果物 ー 鉛板 ー センサー黒
→ 音が鳴った
③ センサー赤 ー 銅板 ー 果物 ー 銅板 ー 鉛板 ー 果物 ー 鉛板 ー センサー黒
→ 音がならない
④ センサー赤 ー 銅板 ー 果物 ー 鉛板 ー 銅板 ー 果物 ー 鉛板 ー センサー黒
→ 音が鳴った
①②より,センサー赤と繋ぐことで銅板が(+極),センサー黒と繋ぐことで鉛板(ー極),それぞれ理解することが出来た。また果物を使用した場合,果物が電池の役割を果たし,電気の流れ,を確認することが出来た。
③④より,電池の役割を果たす果物に同じ種類の金属板を使用した場合,センサーの音は鳴らなかった。しかし異なる金属板を使用した場合,センサーの音は鳴った。
【電池】
(1)りんご
②回路より,りんご1個
258g 50.5db ー 37.0db = 13.5db
273g 51.5db ー 37.0db = 14.5db
④回路より,りんご2個
531g 61.5db ー 37.0db = 24.5db (1個比1.75倍)
(2)バナナ
②回路より,バナナ1本
138g 40.0db ー 37.0db = 13.0db
149g 40.5db ー 37.0db = 13.5db
④より,バナナ2本
287g 56.0db ー 37.0db = 24.0db (1本比1.75倍)
(3)みかん
②回路より,みかん1個
81g 42.5db ー 37.0db = 5.5db
70g 42.5db ー 37.0db = 5.5db
④回路より,みかん2個
151g 50.0db ー 37.0db = 13.0db (1個比2.30倍)
(4)レモン
②回路より,レモン1個
150g 45.0db ー 37.0db = 8.0db
132g 45.5db ー 37.0db = 8.5db
④回路より,レモン2個
283g 55.0db ー 37.0db = 18.0db (1個比2.15倍)
(5)紙
音は鳴らなかった。
(6)蒸留水
音は鳴らなかった。
(7)水道水
②回路より,水1杯
200ml 46.5db ー 37.0db = 9.5db
④回路より,水2杯
400ml 70.5db ー 37.0db = 33.5db (1杯比3.5倍)
【まとめ】
同じ種類の果物で1個あたりの質量が然程大きくない場合(例えば,りんご,であれば15g程度の差),音の大きさはそんなに差がない。また1個よりも2個の方が音は大きくなった。
柑橘系の方が柑橘系ではない果物よりも,音を大きく鳴らしている,ということが分かる。その違いは,個数を増やした場合に明らかだ。1個比を考えた場合,柑橘系の果物では,音の大きさは2.15倍ないしは2.3倍大きくなったことに対して,柑橘系ではない果物は1.75倍程度である。
【感想】
蒸留水と水道水の違い,さらには,水道水と果物の違い,これらの違いを考えると,水道水にはいったい何が入っているのか,という点で驚いた。「水」というキーワードで考えた場合,蒸留水と水道水で比べると,然程違いは無い,という印象は強い。しかしながら,全く異なる物質である,という理解に自ずと結びついて仕方ない。次に,水道水と果物を比べると,思ったよりも果物は電気の流れが緩い,という印象よりも,水道水の方が電気を流している,という方が理解しやすかった。冬休みには,柑橘系の果物と柑橘系でない果物それぞれの違いを調べるつもりです。また同時に,水道水の性質を調べてみます。