【春休み課題(要約感想)】「人間にとって経済とは何か」

*注意*転写ならびに複製を禁止します。著作権ならびに著作人格権は受験塾家庭教師が有します。

(要約)飯田経夫は,経済学にはとことん嫌気が差した,と主張している。この世の中から貧乏をなくしたい,と奮起し経済学者になった。高度経済成長を経て日本は豊かな国になり,また同時に貧しい国にもなった。この状況に虚しい気持ちを感じて居た堪れない。決してお金なんかを好きにはなれない,加えて,「お金よりも大切なものが無い」と唱える人のこともまた好きにはなれない。拝金主義という言葉に多大な嫌悪感を感じている様子が伺える。直接的には触れてはいないが同時に,清貧主義という考え方を肯定する要素もまた含まれる。我が国では非正規,非正規という選択肢の存在,そして失業が問題になってはいるが,日本の失業は非自発的失業ではなく,自分から職業を選択する摩擦的失業,である。これは先進国がもう豊かになってしまった,という背景の1つと考え易い。そこでは,もう経済学はいらない,とまで言われている。日本は平和であり豊かであり決して荒んではいない。また福祉国家は理念としては素晴らしい。しかし人間にはそれをうまく運営するノウハウを持ち合わせてはいない。そのような福祉国家の現実には大変絶望している。加えて,競争も嫌いであり,日本がこれから駄目になっていくとしたら,誰かを蹴落としてまで自分が生き残ろうとするのではなく,皆と「和」を保ちながら共に貧しさの中で生きていく方を選ぶだろう。お金は所詮,手段に過ぎない。それを目的化してはいけない。(600文字)

(感想)不景気とは言われているが,普段あまりそう感じることは少ない。非正規で働く人達が増加傾向にあるからと言って,不景気である,と結論付けることは些か強引な見解と言える。もし不景気ならば,非正規で働く人達の働く場所ですら存在しない,という方が自然と理解し易いからだ。日本の場合,非自発的失業ではなく,職業を選択する摩擦的失業の増加によって非正規への流入が相継ぎ,非正規が増加している。その結果,税金や社会保険料その他手数料等で動いている国家への納税率が減少し,何となく世の中が寂しい感じ(買い物をしない,外へ出掛けない,等)を社会的風潮的として捉えやすい状況に陥る。非正規が増加する,つまり,不景気である,という構図を生むことで世の中に「お金」を回して欲しい実質的な経済社会や納税率を上げたい国家において,とても都合が良い,と考えられる。次に拝金主義と清貧主義については,私的には専ら拝金主義の方が理解し易い。一般的に拝金主義に対する誤解が清貧主義への選択を推し進めているようにも感じる。拝金主義では「お金」を一種の目的物として取り扱われているが,実際のところは「知恵」や「信頼」といった様々なものにトレードされているに過ぎない。そのトレードの規模が大きければ大きい程,拝金主義に対して「お金」というイメージがどうしても付いてしまう。単なるイメージが一人歩きし,「お金」に群がる人達扱いをするのは納得し難い。(600文字)

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